スエーデンでは教員免許がなく学校教育の現場で仕事をしている先生や職員が多い。これは教員養成制度そのものが永く確立されていなかったという歴史が背景にある。それが2011年に新たに教員免許取得制度を整備し、幼稚園以上の教育現場で働く教師に対して免許取得を義務付けるシステムができた。現在教員として働く人、そして新たに教師を目指す人を支援するためのプログラムが折々発表されている。
今回発表があったのは、その中でも特に障害を持つ子供達をサポートする教員や職員を対象としたプログラムである。
読み書き話しが困難であったり、演算を行うのが難しかったり、視覚障害、聴覚障害、難聴など、場合によってはその障害に気付かず他の子供達に混じって授業を受け、辛い思いをしている子供達がいる。そういった子供達を早期に発見し、手助けをしてあげられる先生や職員を養成するためのプログラムである。2016 年から向う4年間、このプログラムのために追加予算を出すことが決定された。免許取得制度が発表されて以来、免許取得のための援助金は出ていたのだが、この追加予算によって特別支援教員を目指す人への援助金は2倍増となる。
すでに特別支援校で働いている教師のみならず一般の教員もこの特別支援のスキルを身に付けることによって、教師・職員の流動的な活用ができることも大きな狙いの一つである。