スウェーデンには「ウェッポン・アムネスティ」というキャンペーン活動がある。これは期間限定で、不法所持しているライフルやピストルなどの銃器を無記名で警察に持ち込むことができ、警察はそれを追跡調査をしないという条件付きの銃器排除活動である。普通であれば、ライセンスなく銃・武器を所持している場合は当然違法行為で罪を問われる。しかしこのキャンペーン期間内、自ら銃器を警察に持ってくるのであればその罪を問わず、黙ってそれらを受け付けましょう、つまり「アムネスティ」(大赦)しますよということである。手りゅう弾などの爆発物やナイフなどは該当せず、銃に特化している。
この活動は 1993 年から始まり今年で4度目となる。受付期間は2月から4月の3か月間の期間限定。不法所持の兵器を排除し、一般市民の治安を守ることが一番の目的であるのはいうまでもない。犯罪目的として保持している銃以外にも、使わなくなったハンティング用の猟銃や遺品として受け継いでしまったものなど、預け入れられるもの全てが違法なものだという訳ではない。
前回 2013 年の「収穫」は1万5千丁、36トンであった。内訳はハンティング用の猟銃と、それ以外のもの(ピストルやマシンガンなど。部品も含める)の割合が半々。集められた銃器は地域ごとに詳細な銃のタイプに分け記録し、未解決の過去の犯罪に関連した可能性のあるものは鑑識へ、その他は廃棄に回される。たまに非常に貴重な銃が紛れていることもありその場合は博物館へ送られることもあるそうだ。
スウェーデンでも銃による犯罪は年々増加しておりその死者の数は10年前に比べて3倍以上になっている。
入手元はドイツ、バルカン地域、スロバキア、ブルガリアなどの他に、北米やオーストラリアなど。通関で差し押さえられる武器の数は年 1000-1200 件(銃以外を含む)で、インターネットで注文し郵送物として密輸するケースも多いという。