昆虫食を食べるクルーズの旅

クルーズ旅行というと大げさなものを想像しがちだが、人や貨物の日常輸送手段として大型船が行きかう北欧ではそんなことはない。船内には数々のレストランやバー、ダンスホール、カジノ、免税ショップなどがあり、まさに動くホテル。卒業旅行やちょっとした週末旅行、社員旅行やコンフェレンスなどに人々は手軽に利用している。ヴァイキングライン社 (www.vikingline.fi) はフィンランド、スウェーデン、エストニア間を結ぶ人気大手船舶会社の1つである。このヴァイキングライン社がこの度、「フューチャー・フード」と銘打ち期間限定で昆虫食メニューを提供することを発表した。
昆虫食は、国連が2013年に将来の食料となり得る展望を発表して以来、欧州でもたびたび話題になってはいるものの実際にはまだまだ一般化していない。EUでは、昆虫食は長期にわたっての人体への安全性が未確認の「新しい食品」との見解を示しており、販売は認可していない。しかしEU各国の「新しい食品」の解釈はバラバラで、今年2018年からフィンランド、デンマークを含むいくつかの国は、一匹丸々のカタチを保った昆虫は生物であり「新しい食品」ではないとし、特別な認証がなくとも販売が可能となった。自然な風味を生かした食事を船内レストランで提供することをモットーとするヴァイキングライン社はフィンランドに本社を置く。昆虫食の解禁に合わせ、早速メニューに昆虫をたんぱく源の一部として取り入れるというわけだ。昆虫という強烈な視覚インパクトを緩和するべく(?)、味は奇をてらったものではなく、違和感のないものになっているという。
3コース、50ユーロ(免税)のメニューは以下のとおり。
前菜:軽くスモークしたタラ。その上に藻ずく、香草、「油で揚げたイナゴ」を載せて。ソースはわさび風味のバターソース。
メイン:ラムのフィレ肉。香辛料でローストしたミールワーム、クレソン、菊イモ、きのこで和え、その上にチーズをふりかけたもの。
デザート:マジパンのミニタルトとバニラ風味のババロア。その下には炒ったコオロギ、甲虫の幼虫、いちご、シャーベット状のハーブをキャラメルソースをひいて。

4月~5月限定。昆虫食初体験を北欧の遅い春の訪れを感じながら味わうのもいいかもしれない。

デザート
Photo© Viking Line Abp.

前菜
Photo © Viking Line Abp.

メインはラム肉
Photo © Viking Line Abp.

 

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