アルツハイマー病の最初の症状が出る時点より約20年も前から脳内では炎症性の変化が起こっているという研究結果が発表された。ノーベル賞生理学・医学の授与機関として名高いカロリンスカ研究所からの報告である。
アストロサイトと呼ばれる細胞の早期段階での炎症を伴う異変活動がこの病気の進行に大きく関わることが発見された。この細胞の活動はアルツハイマーの症状が出る約20年前をピークに、その後徐々に低速していくという。(研究論文は Brain を参照のこと。brain.oxfordjournals.org)
つまりアルツハイマーの病状が出る段階よりも、ずっと早い時点での治療が可能であるということであり、そしてアストロサイトの活動に的を絞った医薬の開発が考えられるということである。
スエーデンではアルツハイマー病を含む認知症に対しての関心が非常に高い。スエーデン国シルビア女王自身がイニシアティブをとり開設された高齢者施設もあり、そこでは認知症に特化したケアやナースの教育も行っており高齢者ケアの業界ではよく知られている。
高齢者介護の大きな要因であるこの病気の予防治療は世界中からの関心を集めており、スエーデンではインターナショナル・アルツハイマーデイには毎年国内でイベントを行い一般市民の病気に対する理解と協力を募っている。
(関連サイト http://ki.se)