患者・病院・製造会社がチームとなりリハビリ機器を開発、認証化

病院でリハビリに励む患者、リハビリ機器製作会社、そして病院がタッグを組み、リハビリ器具をシステマテイックに向上、進化させていくプロセスがこの度確立された。
ストックホルム県では数年前から、医療関係者からの意見を新しいリハ機器の開発に反映し、患者の日常生活をより快適にできるよう努めてきた。それが今回、医療関係者の視点からではなく、患者の視点から機器を見直していくということが正式に位置付けられた。

実際にこのプロセスに沿って改良作業がすでに進んでいる代表的な製品には、脳卒中などで歩行困難になってしまった患者のための日本でもお馴染みのリハビリスーツHALや、事故などでむち打ち症を患う患者のリハビリ用バーチャルリアリティー・ゴーグル(アイマスク)などがある。最新のテクノロジーを駆使した機器がいかに疼痛治療に役立てるか、それは痛みを一番よく知っている患者自身からリハビリ機器やアシスト機器の形状や使い勝手に関するアイデアや意見をもらうのが一番であるというのが根底にある。
実際、バーチャルリアリティーを利用したむち打ち症の疼痛治療プロジェクトは2014年から開始されており、精神を安定させながらより効果的な治療ができるよう、3D映像+音声の様々なパターンのソフト開発が進んでいる。例えば天体の動きに合わせて首を大きく振ったり小さく動かしたり、YES,NOで答えさせるようなプログラム(うなずいたり左右に頭を振ったりする)など。これらは実際に患者の協力を得ながら開発している製品である。

© photo: Carin Wesström

© photo: Carin Wesström

© photo: DS Johan Adelgren

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患者と医療機関の協力のもとで自社のリハビリ機器の改良開発を望む会社は、このシステムに参画申し込みをし承認されると1プロジェクトとして走ることになる。会社の国籍は問わない。プロジェクトはいくつもの段階で構成されており、それぞれきめ細かな数値でその効果やアウトプットを出しながら改良を進めることになる。製作会社の大きな利点としてはこのプロセスを経ることにより、改良点の絞り込みが的確になるだけでなく、スウェーデン医療機関でオフィシャルにテスト認証された機器であるという承認を得ることができる。つまりヨーロッパ基準をクリアすることになるわけで、そうすれば国内のみならず世界市場で商品を使用してもらうことが可能となる。
今年度は少なくとも3つのプロジェクトがあらたに開始する予定である。メカ大国の日本からの参加が楽しみである。

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