QRコードでエコ食品のID付け

ここ近年スウェーデンはエコロジー食品や商品への関心が極めて高い。ありとあらゆる商品に「エコ・バージョン」が登場し、生鮮食品はもとより加工食品、洗剤やソープ、衣料品(エコ素材使用のもの)、ペットフードなど、売上げは軒並み好調。特に食品は前年比 40% 売上高増と最好調である。そんな中、生産地を偽ったひき肉が市場に出回るというスキャンダルが2月発生した。国内産、エコマーク付きと謳った牛肉が、実はポーランドやバルト海諸国から輸入された普通の肉だったのである。学校給食調理業者へ出荷されたことが判明した。学校給食もエコ食材を使用しているということが自校アピールの1つのポイントとなっているのである。

エコ食品

エコ食品

特に食肉、乳製品類に関してはスウェーデン国内の家畜飼育環境のレベルが高く飼育基準はEU基準より厳しいと言われており、スウェーデン産を選んで購入する人が多い。国外の有害肥料、抗生物質、成形剤など過剰なケミカルの使用まで計り知ることは容易ではない。そしてもう1つ、国内の農家や家畜業を営む人々へ利潤が還元されるようにとの気持ちも込めて国内産を買う人も多い。
だからこの事件は当然消費者の怒りを大きく買い、不信感は正真正銘のエコ生産者にまで及びかねない事態となった。

QR で生産者を検索

QR で生産者を検索

そんな中、一つのアイデアとして生産者の顔が見えるラベリングが登場した。「この牛肉はヨスタ牧場で育った牛ですよ」と書いたラベルをトレーに張るのである。そしてそのコピー文句だけでは消費者の信用を勝ち取るには不十分だというので QR コードも一緒に印刷されている。店頭でトレーに貼られた QR コードを携帯で読み取り、「ヨスタ牧場」を検索できるという訳である。商品にID、パスポートを持たせるようなものである。
内容を実際に熟読する消費者は多くはないかもしれないが、実在の牧場名、牧場主まで記載されていることにより安心感が得られる。生産者が地元であれば親近感も沸く。そして何より生産者は自分の牧場をブランド化することができる訳である。
生産者の顔がわかるラベル付けによって商品価値が付加し価格も上がるのは必至だろう。エコという名のもとに詐称偽造が増えたり販売価格が上がったりし、そのツケを消費者が負うという図式は環境問題そのものを体感しているということでもある。

トピックス - チーム一碧 (Team Ippeki) © 2013-2023
ホームページに掲載している、写真・記事の転載・引用・無断使用は禁止します。
Trademark notice: Product or corporate names may be trademarks or registered trademarks, and are used only for identification and explanation without intent to infringe.
Frontier Theme