貸しガーデン(農園)の楽しみ

夏、太陽の日差しが強くなればなるほど、スウェーデンの人々は外で過ごすことに躍起になる。庭にはチェアとテーブルを数か月間出しっぱなしにし、そこで朝食を食べたり、フィーカでのんびりしたり、青い芝に囲まれて思い思いに自然とのふれあいを楽しむ。一軒家であれば、たいていの庭にはリンゴの木があり、人によってはラズベリーやワイベリーのブッシュがあったり、家庭菜園をしている人も多いので自家製のフルーツや野菜を食することが可能だ。しかしアパート住まいであればなかなかそういう訳にはいかない。

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温室を建て、たまには農家になる。

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青々と育つ野菜。自家製が食べれる。

20160721_101501 スウェーデンには「コロニー」と呼ばれる貸し集合ガーデンが至る所にある。これは土地を園芸や菜園用ができるよう小さな区画にわけ、希望する人々に貸し出すもの。土地そのものは地方自治体の所有であるが、運営管理はそれぞれ組合を組織し、リースする人々が会員となり自主運営して

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コロニーのエリアには小分けされたガーデンが広がる。

いるものである。リースは年単位で、ほとんどの人が長年にわたって更新している。人気のある場所では空きがでるまで待ち行列に入れられることもある。

スウェーデンのコロニーには小屋が付いていることが多い。園芸道具を保管する納屋であったり、気が向けば2,3日泊まり込みできるようにソファベッドを入れているものであったり、その区画の大きさ、所有者の嗜好でそれぞれである。
スウェーデンでは園芸のトレンドも変化してきていて、少し前までは花が主流だったのが、近年は健康ブームもあり菜園、野菜作りが非常に人気である。花の前は野菜やベリーが主流だったので、流行回帰しているわけである。

リースであるから、前所有者が栽培していた花壇を野菜畑に変えなければならず、そういった時は「ごめんなさい」と花に謝って土を掘り起こすそうである。
スウェーデンのコロニーは19世紀終盤から始まり、すでに100年以上の歴史がある。広い意味でスウェーデンの文化遺産の1つと言える。

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