今朝はアリシア・ビカンデルのオスカー助演女優賞受賞のニュースでもちきりだった。かのイングリッド・バーグマンに続く2人目のスウェーデン人オスカー受賞者誕生である。ビカンデルのオスカー受賞の可能性は国内でも注目を集めており、カジノサイトでは同じカテゴリーでノミネートされたケイト・ウインスレットの5倍のオッズに対し、ビカンデルのオッズは1.4 倍と一番の候補に挙がっていた。彼女は国内のみならずグローバルな配給映画に数々出演しているので記憶に留めている人も多いに違いない。18世紀末のデンマーク王室の陰謀を描いた「ロイヤルアフェア」(主役)、「アンナカレーニナ」(ケイラ・ナイトリーのライバル役)など地味で真面目な印象を与えている。
彼女のみならずここ近年の若手スウェーデン人のアメリカ・ショービジネス界への進出は目覚ましい。アレキサンダー&グスタブ・スカルゴード兄弟(姓はアメリカ式の発音)、マーリン・オーケルマン、アヴィーチー、イコナポップ、トーヴェ・ロー、スウェーデッシュハウスマフィア、ギャランティス、ロビンなどなど。アバやカーディガンズなど世界的なヒットアーティストを出した時代とは異なり今はインターネットやSNSで場所を問わず発信できるからいきなりグローバルに成功しているのも特徴的だ。金髪碧眼といったステレオタイプ的な外見でない人々が多いから、気が付いたら「あっ、この人はスウェーデン人なんだ」ということもよくある。英語が流暢だということだけでなく、移民・難民の受け入れやEUメンバーといった国際化の波に日ごろから身近に接していることも、若い彼らが国籍を越えてボーダーレスにチャレンジしていこうとする土壌になっているのかもしれない。「気が付けばスウェーデン人だった」というさり気なさがいい。